こんにちは。作業療法士で双極性障害当事者のとーさんです。
最近は面接、通院、ハローワークへ・・・
などなど、忙しく動いております。
さて、私はX(旧twitter)で、双極性障害や作業療法士の情報発信をしています。
先日X(旧twitter)のスペースという機能内で、
行動活性化について話す機会をいただきました。
スライドを見せつつ約45分。質疑応答入れると1時間30分ぐらい。
本当にたくさんの方に来ていただいて、ありがたい限りです。
興味のある方は上のスペースを聴いていただければと思います。
非常に多くの方に来ていただき、
うつ状態のときにどう行動するか?
が私も含め困っている人が多いと感じました。
今回は伝えきれなかった部分を含め、記事にしたいと思います。
行動活性化とは
行動活性化とは、認知行動療法の1つ。
抑うつや倦怠感のあるときに、寝て過ごすのではなく、
「敢えて」楽しむ、何か行動することです。
![画像](https://assets.st-note.com/img/1713164053874-gjgIAWgIzW.png?width=800)
上の図はうつ症状の経過を表しています。
うつ期に入る際、抑うつでおっくうになったり、
気分が落ち込むなどがいきなり起こります。
これを急性期と表現します。
急性期
急性期はとにかく気楽な状態で休むことが大事。
診察+休養+服薬を忘れずに行い、
充電期間に当てましょう。
この期間の行動活性化はまだ厳しい状態です。
回復期
回復期に入るとそろそろ意欲や興味、動きたいと思う時期。
そのような状態だと行動活性化を行える時期でしょう。
回復期には波線が多く描かれています。
うつ症状は直線状に良くなるのではなく、
良くなる・悪くなるを繰り返しながら、最終的に改善していきます。
1歩進んで0.8歩下がるぐらい。本当にゆっくりです。
焦りが生まれる時期ですが、回復過程はみんなこんなもの。
急によくなってしまうのはほぼありません。
回復期の注意点
いきなり高い目標を立てない
では、まずは想像してみましょう。
あなたは両足を骨折してギブスで固定されていて、車いす生活。
1か月後、ギプスがようやく取れました。
あなたはどんな目標をたてますか?
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退院したい!
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仕事に戻りたい!
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楽しめる場所にいきたい!
など、人によって様々な目標を立てると思いますが、
いきなり歩き始める人はいないのではないでしょうか?
大体はリハビリをして筋力をつけたり、
ある程度の生活動作ができるのを確認して、
歩いたり仕事に戻ったり、退院することが多いのではないでしょうか。
うつはなぜ高い目標を立ててしまうのか
では、うつ状態の目標はどうでしょう。
多くの人は意欲がなくて億劫で、
何もできない、ほとんど寝たまま、体力がない
という状況だと思います。
そんななかで、
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復職しないといけない!
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家事をしなきゃ!
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学校にいかなきゃ!
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散歩を絶対しなきゃ!
こんなことを思って、行動してみる。
そうしたら全然できなくて落ち込む。
また寝込んで自分を責めてしまい、うつの底へ・・・。
みたいな経験をしたことある人、いませんか?
骨折の例だと段階づけて目標を立てられるのに、
なぜ、うつになると難しい目標を立てるのでしょうか?
脳機能が低下している、判断力が鈍っている、
色々な考えはありますが、
結局のところ、自分の状況が理解できていない。
のだと、自分を含めて感じています。
目標の立て方
では、どのように目標を立てていけばいいのでしょうか。
![画像](https://assets.st-note.com/img/1713165098490-SWTKm1aG4V.png?width=800)
現実的な目標を立てる
画像の通りなのですが、段階づけて目標をたてましょう。
例えば、最終目標が散歩することだとして、
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座っている時間が10分ぐらいにできる
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窓際で太陽を浴びながら過ごせる
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10分続けて立っていられる体力をつける
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何かしたい意欲が出てきた
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うつのどん底よりも体力がついた実感がある
これぐらいの目標ができたら、5分ぐらいは散歩できそうな気がします。
つまり、いきなり散歩をしてもいいのですが、
できなかったら、落ち込むのがうつ症状。
では、落ち込みを少なくするにはどうするか?
段階的に目標を立てることです。
1つ達成するにつれ、成功体験が重なり、
自己肯定感が上がることで自信をもちやすくなります。
これで脳機能が高まって、意欲も増加していく。
といった好循環がうまれやすくなると思います。
もちろん、動きすぎはよくないです。
振り返りもしてみよう
行動活性化をして終わりではなくて、
振り返りもしてみましょう。
ノートに書いたり、スマホのメモ機能を使ったり、
はたまたツイートしたり、なんでもいいです!
振り返りをすることで、段階づけた目標と行った行動、
体調や気分の変化を客観視することができます。
なぜ、できたのか?
あるいは
なぜ、できなかったのか?
改めて考えてみましょう。
できた場合は客観視することで自信がつく。
できなかったら場合は客観的に理由を考えて目標を下げてみる。
下げた目標が達成出来たら自分をすこぶる褒める!
これが非常に大切です。
行動活性化の一例
![画像](https://assets.st-note.com/img/1713165840913-pvAk0AGMbq.png?width=800)
あくまでも一例を載せてみました。
私が行ってほしいのは、
反応と結果の間の振り返り。
上記した振り返りを反応と結果の間で行うことで、
できた・できない理由がわかると思います。
できた・できないで放っておくのではなく、
振り返るがとにかく大事。
振り返る回数が多くなると、
自然と目標設定が段階づけて行えるようになっているはず。
行動活性化は服薬と合わせると効果的
もちろん、服薬は忘れずにおこなってください。
行動活性化は認知行動療法の1つと言われています。
いわゆる、自分の考え方の癖を治すことにつながるので、
服薬と合わせると非常に効果がでやすいです。
以上、スペースの補足と簡単な振り返りでした。
ご自愛くださいね。